<なんといっても北イタリア>
まずは最初ということで、ユーロビートそのものにふれるよりも広く浅いところからやるのがよいでしょう。(←てかネタが尽きる(^^;)
もう知っての通り、現在リリースされ続けているユーロビートのほとんどはイタリアで作られています。さらにユーロビートのレーベルの本拠地はミラノ周辺、いわゆる北イタリア地方に集中しています。私は今だかって南イタリア地方で作られたユーロビートなんて聞いたこともありません(^^;。
これには2つの理由があります。一つは北イタリア地方というのは敬謙なクリスチャンが多く人柄も穏やかな人達が多いのですが、なぜかディスコやダンスミュージック
が盛んな地域でもあり、自然その音楽をつくるプロダクションやレコード会社もその地域に集まっているのです。またこの辺りはリゾート地が多いので環境的にも好都合な部分もあります。陽気でナンパ好きなイタリアンというとナポリとかの南の方の町を想像しちゃってましたが、実際はそうでもないみたいです。
<ユーロビートの歴史自体も大きく関係していた>
もう一つは、この業界自体が地縁、血縁、派閥(笑)という永田町もビックリな閉鎖性によるところに大きな原因があります。後で詳しく書きますが、イタリアンユーロビートの発祥のレーベルであるSaifam、
DiscoMagic、TIME-RECORDSはそれぞれベローナ、ミラノ、ブレシアという北イタリアの都市に本拠を構えています。 当然そこで働く作家さんたちはその近辺に住んでいた、もしくは引っ越してきたという人に限られています。別に遠方でも仕事はできるのですが、10数年前となるとこれほど通信環境が発達していないということと、当時のプロデューサー達はまだ無名な人が多く、彼らの力では外部から人を呼び寄せることが難しかったということもあります。各作家達の経歴を分析していくと、たいていが友人や前に仕事を一緒にやってた…という類に分類されます。
現在になってレーベルはいくつもに分裂しましたが、そのプロデューサー達も元をただせば この2つのレーベルのどちらかから流れ出た人なので、その時には自前でスタジオを用意していたりしてそのまま住み着いてしまうわけです。
さらにこの業界はイタリアから見れば国内の市場がない以上、マイナーな存在(^^;なわけで、新しい作家を雇うときも プロデューサーとの縁だけで集めるんだそうです。さらにシンガーもその辺でブラブラ仕事してる(笑)人を集めていく、そしてその中で実力あるシンガーだけが残っていく、もしくは作家に転向…う〜ん、まさに悪循環(苦笑)。
まあ、結局この音楽は作家の力量自体で質が大きく左右される職人芸の要素があり、また日本を見ても音楽業界は東京周辺に一極集中していることを考えると、これは決して不思議なことではないのかもしれません。